2024-08-20 00:32
目の前を見渡すと、辺り一面が白い霧に包まれていました。 山頂を望むことも出来なければ、山麓の様子を伺うことも出来ません。 少し緊張もしました。 けれど、こういうときこそ難しく考える必要はない、天候が悪化したらもと来た道を戻る。 視界が悪くなったら、それ以上は進まない。 もし道に迷ったらSUUNTOに記録された軌跡を頼りに、そのまま戻る。 谷をいくつか越えました。 とても静かな時間が過ぎ去っていきました。 そして、目の前の白い世界のなかに何か物体の影を見つけました。 少し近づいてみると、それが目的のモノであると確信しました。 「誰が、いつ、なぜこんなところに置き去りにしたのだろうか…」、そんな思いが頭のなかをよぎりました。 でも、それは考えても意味がないことなのかも知れません。 幾星霜、どのくらいの年月が過ぎ去ったのだろう…。 屋根はつぶれてボンネットはなくなり、エンジンルームはむき出しになっていました。 運転席のドアもなければ、4本のタイヤもなくなっています。 窓ガラスは割れて、車内には砂や溶岩礫が溜まっていました。 「朽ち果てたグランドワゴニア」、この場所まで、僕はやって来ました。
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