2024-08-14 07:08
都美術館にて開催のデ・キリコ展へ。
デ・キリコの絵を見ていると、伝統的な意味での絵の上手さ、というのは余り感じないので、果たしてきちんとした美術教育を受けてきたのだろうかと疑問に思うことがある。例えば、ピカソが10代の頃に描いたデッサンなどは超絶的に「上手く」、それと比べてみたときのデッサン力的には、ということなのですが。
彼の特質は、絵画としてのモティーフに与えた構成力・想像力に秀でたものがあり、それを「形而上学絵画」と名付けているわけだけれど、造形的には色面構成的なところに特長があるのではないかと思った。
それはマティスとも違う色彩性。彼が出現した当時の美術界にとってはモティーフの部分で異質な存在だったかもしれないが、むしろ色彩性というところに西洋絵画の伝統を引き継いでいて、今でも評価され続けられる理由がある気がしている。
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