2024-05-18 10:15
今日はこんなに暑いのに
生後1ヶ月の赤子は汗をかきながら必死で私にしがみついて
どこにも行かすまいと小さな手でTシャツを力強く握りしめて寝ている。
夢を見るのか、時折ぎゃんと泣くけども
そっと頭や体を撫でると安心したように静かになって
暑いなか更に私に顔を擦り寄せてまた眠る。
寝た赤子を起こさぬように身動きもとれないなか、ふと私を産んですぐ働きに戻った母はこんな穏やかな時間は持てなかったのではないかと思いを馳せるなどしていた。
今でこそ人望もあり仕事に事欠かない父も、当時は殆ど稼ぎがなかったと聞く。
記憶の中の母はよく働き、何日かの休みをとっては私たち兄弟をあちこちに連れ出してくれていた。
自営業ゆえの自由さといえばそうだし、自営業ゆえの不安定さと無茶な働き方といえばそう。
当時は寂しさもあったし、いろいろあった父への気持ちへはまだ蟠りがあるし、親戚は嫌いだし、この歳になっても実家に完全に心を許せるわけではないけれど
母には孫の赤ちゃん期の可愛いところだけを存分に堪能してもらえたらなぁと思う。