2024-05-24 14:25
エッセイ
山に囲まれた地方都市に住んでいます。田舎らしい迷信もそこそこあり、そのうちのひとつが某山に雲がかかると雨が降る、というものでした。
そしてそれはだいたい当たるのです。天狗がその山に住んでいて、癇癪を起こすと雲を呼びこの街に雨を降らせるのだ、と昔から住んでいる方に聞きました。詳しいことは分かりませんが、実際は気流か何かの関係で、湿った空気がその山を通過してこの街に来るという簡単な種明かしです。雨雲レーダーなんて便利な物は無いむかしむかしの人々は、何故か雨が降る前に曇るその山に、天狗という生き物を住まわせて納得させたのでしょう。
今日も朝から曇り空でした。昼間なのに日の出の前のように薄暗い日でした。ほとんどの職員が出張に出ていて、オフィスには片手で数える程しか人がいません。
「雨降りそう、山に雲がかかってる」 →