韻も踏めないのにデビューしたらヒップホップチャートで1位になってしまった。アメリカから帰国しラッパーになろうと思った私はアーティストの友人に相談した。「デビュー作作りたいんだけどどうすればいいかな」すると「伝えたいことや思っていることを書いてみて」と助言をもらい書いた。韻踏んだりもしてみた。「まるで小学生の駄洒落だな」と即dis。「俺の言っていることを汲み取ってあとはバチバチに仕上げることできるだろお前なら」そういって彼に託し曲はバチバチの仕上がりに。彼は紅白歌手やトップアイドルに楽曲提供する実力者。初めてのスタジオでのレコーディング、編集、PV撮影、ジャケ写、そのどれもやらぬまま死ねぬ経験。そしてリリースの日、俺たちは目を疑った。大好きなEminemより上位に俺たちがいる。みるみる上がり1位になった。入ってきた印税でうなぎを食べた。1食ではあるが「初めて音楽でメシを食った」瞬間だった。実力もないのに先に挑戦すると評論家はとやかく言う。やっちゃえばいい。実力がついてからやろうなんて手遅れだ。評論家が昨日の俺たちを評論してるとき、俺たちはもうそこにいない。 #やりたいことのやりかた