マチアプ(逆)写真詐欺⑧ 彼の目の中の 『友達』 の二文字から目を逸らして ロマンチックのかけらを必死に探した。 探せば探すほど 私の目の中の 恋の炎が 涙で消火されていく。 「そいえば後輩から、僕の姉を紹介したい言われて。もう母親はオッケーしてますからーて。笑」 他の話と変わらない軽快なトーンで 面白おかしく彼が言う。 「うそ、ウケる！でもなんか良いじゃん！」 他の話と変わらない軽快なトーンに なるように笑ってみせる私。 そう、きっと、 なんでも笑って話せる友達だ、私は。 あっという間に彼の終電が迫り 慌てて駅に向かう。 「早いなぁ終電。カラオケ行きたかったな」 「うん、私も」 私は、もっと一緒にいたかった。 彼は、もっと一緒にいたかったわけじゃない。 それでも言わなくちゃ。 「涼ちゃんのことが好きだよ」 伝えたあとの 「アメリカ人的なハグ」は 彼の優しさだったと思う。 ごめんね、と、ありがと のハグだった。 ここぞとばかりに思い切り抱きついた私は、得したと思うしかないか。 竹内涼真を抱きしめたんだぞ！ ご馳走様だろそこは。笑 彼は優しい匂いがした。