2024-11-15 13:06
看護師2年目。
病棟看護師をしていたころの話。
大好きな50代の女性患者さんがいた。
肺がんで入院されていて、抗がん剤治療を受けていた。
初めの頃は週末に外泊をしたり、おしゃれして外出してご主人とお食事したりと元気に動けていたが、次第に病状は悪化。全身リンパ浮腫で呼吸困難も強くなって動けなくなっていた。
深夜明けの朝(当時は3交代勤務)
「おはようございます!」とお部屋に入ったら
呼吸困難が強いため医療用麻薬で眠っているはずの患者さんがベッドの上から苦しそうに息を吐きながらゆっくりこちらを見て
「あなたって、朝から素晴らしい笑顔を見せてくれるのね。助かるわ。」
とほんのり笑顔で言ったあと、またウトウト眠った。
その日の夜に亡くなられて、それがその患者さんとの最後の会話になった。めちゃくちゃ泣いた。
私が普段から笑顔でいることを大切にしているのはこの出来事があったから。あれから20年以上経った今も、その患者さんから頂いたハンカチを大事に使っている。