2024-11-16 02:40
百合子さまは皇室に入って間もない頃、夫の三笠宮さまから「元日の朝起きたら一番にニワトコの枝を見ないといけない」と言われた。理由は分からなかったが、1年の吉凶を占うまじないのようなものだと思い、新年に目が覚めたら必死になってニワトコの枝を見るようにしていた。
数年後、どうしても気になって貞明皇后に聞いたところ、大笑いされた。実際は新年最初の掃除の時、御座所に飾ってあったニワトコの枝を最初に見る仕事熱心な人は誰かという、女官同士の競争のようなものと分かり、百合子さまは「この数年の努力は何だったのか」と、気が抜けてしまったという。
彬子さまは「なぜ皇族は帽子をかぶるのか」とある人から聞かれ、百合子さまに聞いたところ、「帽子は日よけなのよ」と返事が即座に返ってきた。例えば天皇誕生日の皇居での一般参賀では、宮殿が「うちの一部」と見なされる皇后さまは帽子をかぶらなくてよいが、他の女性皇族方は一度外に出てから宮殿に行くため、「日よけ」として帽子をかぶるという。彬子さまは「このことを知ってからは、伝統を伝えていかなければと思うようになり、行事の時にはきちんと帽子をかぶるようにしている」と話した。