マチアプ(逆)写真詐欺⑥ 終電間際の混み合う改札前 「アメリカ人的なヤツな」 って笑いながら 大きく手を広げて 私を包むように 軽いハグをしてくれた竹内涼真の首に 両腕を回して しっかり抱きついた。 背が高いから、うんと背伸びして。 小さくなっていく背中を見送りながら 涙がボロボロ。 遡ること、5分前。 終電まで足早に向かう私たち。 「知ってると思うけど、 凉ちゃんのことが好きだよ。 慎重になりたい気持ちもわかってるから、 今すぐ答えが欲しいとか 思ってないから、 いろんな人と会って 一周まわって、やっぱHanakoだなって きっと思うだろうから そしたら戻っておいでよ。 それまでは友達として また、会いたいよ。」 伝えたかった気持ちは ちゃんと言えた。 頑張ったよ、私！ 2回目のデートは たくさんいろんな話ができた。 子供の頃のこと ご両親のこと 友達のこと 離れて暮らす息子のこと 写真を見せてくれながら たくさんたくさん 笑って話した。 「一緒にいて、すごい楽しいって思ってる」 何度もそう言ってくれた。 だけど、 「でも…」が見え隠れしてた。