ホラーの怖さの条件には理不尽があって、背景を細かく説明したり、科学的か非科学的かを抜いたとしても道理が通り過ぎていたりすると、急にホラーとして観れなくなってしまうことがある。因果応報と救済の入れ具合は、悩ましいところだと思う。 早くも師走の影響を受け始めた怒涛の１週間を抜け、毎週お決まりの映画を観る日曜日がやってきた。土曜に回復のために儲けた玉ねぎのみじん切りを大量に入れたカレーと近所のサウナはそれなりに効いており、身体が軽い。しかし拙者はお座敷小僧として生まれた宿命があるため、年末が近づくにつれてお呼ばれする座敷も多く、臓器は重めだ。 そんな中で実話にインスパイアされてできたというタイホラー『バーン・クルア』を観た。何がどうなっているのかわからない前半と、全てが解き明かされていく後半がある。細かい説明がなされたのは、とある「儀式」をなぜ行おうとしていたかに正当性を持たせるためである。悲しい過去があったのだと。しかし説明しすぎると、ホラーの超自然が再現性の魔術へと移行して、科学でもこれは作れてしまったなと思う。最新の技術によって死んだ人の意識をコントロールできるようになった、とか。