いつも人はサヨナラを用意して 生きなければならない 孤独は最も裏切ることのない 友人の一人だと思うほうがよい 愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある どんなに愛されても幸福を信じてはならない どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない 愛なんか季節のようなもの ただ巡って人生を彩り、飽きさせないだけのもの 愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ サヨナライツカ 永遠の幸福なんてないように 永遠の不幸もない いつかサヨナラがやってきて、 いつかコンニチワがやってくる 人間は死ぬ時、愛されたことを思い出すヒトと 愛したことを思い出すヒトに分かれる 私はきっと愛したことを思い出す 辻仁成さんの小説・サヨナライツカの一説 映画ではこの台詞を誰が言っているかに 焦点が合っている気がする タイ・バンコクの湿度感や それぞれの愛や寂しさの温度の変化 儚くも美しい映画でした この映画が大好きで バンコクのマンダリンオリエンタルにも 泊まりに行きました 実はパリ時代にお会いした思い出も ご冥福をお祈りいたします