被災するまで 地震は怖いけど いつか終わるものでした が、あの日。 1.17。 目の前の世界が ぐわんぐわん波打ち 勉強机や すぐ横のタンスの上から 大きな箱のおもちゃたちが降ってきて 思わずお布団を頭までかぶった その時 2段重ねの昔のタンスが 左右から倒れてきたの タンス同士が支え合って 体の上にはおちなかったけど 母が足元から 「起きない！出てきなさい！大変だ！」と 四つ這いになりながら叫んでいた すぐ横にはピアノ 母がいつも着てたカーディガンが ピアノの脚に引っかかり ストッパーになってれた 裸足でキッチンへ急ぎ 割れた食器の上を歩き ダイニングテーブルの下へ潜り込む ハッと目をやると コンセントにコードが刺さったままの 炊飯器がぐわんぐわんしてたの でね ちゃんとごはんが炊けてた奇跡 すぐに着替えて 家の中で靴を履き あたたかいおにぎりを頬張った時 やっと恐怖を感じて 泣きました いろんな奇跡が 私の家族を守ってくれた日でもある しばらくは 壁も屋根も落ちちゃったから 家の中から、お外の人と挨拶できる スースー生活でした 阪神淡路大震災