【なんでもセルフ！の巻】 「お母さんが作ったる。」 何を見ても、幼少期の私が欲しがる前に母はそう言った。6人姉妹の6女として生まれた母の性分である。瞬時に家にある物でマガイモノを製作しては、いくつもの私の「•••。」を生み出した。例えば、脱いだ靴下の足首部分を切ってリカちゃんに着せて「ベアトップ」と言った。でもだ。そのおかげで、なんでも作れるという精神が私の中に宿った。必要なものがなければ作り、プロの手を借りたい時は方法を調べて実験する。先日は壊れた洗濯機さえも、同じ壊れ方をした主婦のアメブロを参考に分解して直した。今週は髪を切りたがらないプレ思春期の四年生の長男のために、Amazonでハサミを買い、YouTubeのセルフカット〜ツーブロック編〜で予習して、鼻息荒く挑んだ。切り進める部位の順番、コームの使い方、YouTubeってすごい。息子のこだわりの前髪だけは慎重に進めたが、我ながら上手くいった。そうすると寝ても起きても、仕事をしていても食事をしていても、自分の作品に何度もすれ違うので何度でも嬉しい。「表参道で店出せるよなぁ？」息子「…。」 作品を眺めながら飲むビールは美味しい。