2025-01-17 10:58
認知症のあるおばあさん。
「あの人がお金を盗んだ!」と訴え始めた。その人はとても真面目で、丁寧な介護をする人だった。しかし、おばあさんからは泥棒扱いされ落ち込んでしまっていた。
何故あんな良い人がどうして…と現場は悩んでいた。
こんな時、オススメの作戦がある。
それは、「その人に何か教わる、頼み事をする」である。
おばあさんも昔習っていたという歌を、みんなの前で披露してもらい、泥棒扱いされた職員が、是非教えてくださいと頼んでみた。すると上機嫌になり、歌い方をレクチャーしていた。そしてそれから泥棒扱いはなくなったのだった。
一体何故か。
おそらく、おばあさんは被害者になることで、「関係性の逆転」を図っていたのだ。介護する、されるという関係性のみしかおばあさんにはなく、自分に価値が感じられない。
そこで「被害者」になることで、再び中心的存在となり、関係性を逆転させようとした。
それ程までに、人は人との関係性にその存在を感じとっているのだ。
おばあさんは歌を教えるということで再び自分自身を取り戻し、もう被害者にならなくてもよくなったのだ😉