「小さなシミのような僕たちの人生」 このタイトルの作品は、2枚の連作になっていて、まだ完成していない。 ずいぶん長い間、筆が止まったままになっている。 この絵を描いていた頃の私は、本当にいろいろあって、もつれにもつれた人生の糸の中で、身動きが取れずにいた。 ただただ、しんどい毎日。 そんな中、1日の終わり、筆を洗っている時だったか、ふと、思った。 「あー、私たちの人生って、この地球上や、ましてや広い宇宙の中や、それから長い長い歴史の中から眺めたら、ほんの小さなシミみたいなもんだな」 どんなに大変な出来事があっても、時間はあっという間に通り過ぎて、すべてを飲み込んでいく。 一人一人の人生なんて、そんな中では、一瞬の泡沫みたいなものだ。 もし私がこの世に存在していた証があるとすれば、それはたぶん、小さな小さなシミのようなものに過ぎないのだろう。 でも、決して消えないシミ。 そこまで考えた瞬間、いろんな色や形のシミが無数に広がって、美しい一枚の布となって、真っ暗な宇宙空間にはためく姿が見えた。 綺麗じゃん😍 私は、図太い。 今年こそ、この絵を完成させる。