朝から体調が優れない。 最近は、こんな日が多くなった。 今やすっかりお馴染みになった身体の痛みに加えて、頭もどことなく痛み、思考がボンヤリする。 気持ちも沈みがちで、晴れない。 そういう時の対処法は人様々だと思うが、私は絵の前にいないとさらに状態が悪化するということを自分で知っているので、今日もアトリエにいる。 いつものように、窓のカーテンを開けて自然光を入れる。 そして、いつものように、音楽を流す。 でも、さすがにすぐには描けない。 イーゼルにかかった絵を、椅子に座って、ただボーっと眺める。 すると、気になるところが目につき始める。 「あそこ、ちょっとだけ描くか」 体が重いので、そんなに長くは集中できない。 でも、おかげで少し絵が見やすくなった。 気分も、少しマシになる。 そうやって、何十年も描いてきた。 私のことを一番理解し、わかってくれるのは、絵かもしれない。 「汝、病める時も健やかなる時も、常にこの者を愛し、守り、慈しみ、支え合うことを誓いますか？」 若かりし日、「はい」と答えた気持ちは、今も1ミリも変わらない。