2025-01-13 23:52
農業
専業農家の義父が逝く
最期は静かだった。メインのハウス栽培をおしまいにし、酷暑の夏は外出をしなくなった。穏やかだが昼寝ばかりしている。実は同時に脳が萎縮し始めていた。既に運動機能にも異変が。
最後の稲刈りもわからなくなっていたよう。1枚の田んぼを間違えて仕事をしてしまった。
あっと言う間だった。施設や病院でも穏やかとしか聞かない。農家のしきたりの最も近くにいた最後の人。
この家のしめ縄を編むのは義父だけ。玄関のお飾りは大海老とウラジロ、橙。裏の小さいお稲荷、火の元、皆の自家用車にも細いしめ縄、半紙の御幣。
神棚のお鏡を始め、お飾り餅7箇所を供えるのも。神様にいちばん近かったのも父だった。
自然に還るようだった。作物は恵みをもたらすが、枯れても、廃棄されても文句を言わない。恵みそのものであるばかりで。
父から、何でこんなに弱ってしまったのだろう、の一言は聞いたが、死に対して受け入れるとか受け入れないとか、そういうものでは無かった気がする。
実子の兄妹には伝えてないが(子どもはどう受け止めているのか)、嫁の私はそう思えたのだ。写真⬇️