自転車と勧誘 真夏のある日、私は友人のありさと共にコメダ珈琲を訪れていた。彼女が受けるかもしれないネットワークビジネスの勧誘に、同席を求められてのことだ。 店内で私たちを待っていたのは、元ラグビー 選手のような体格の男性と普通体型の男性。モバイル関連のMLM（マルチレベルマーケティング）の説明が始まった。彼らの態度からは、この商談を確実な成功と見なしている余裕が滲んでいた。特に、ひょろりとした体つきの200kmライドをこなすクライマーのありさを見る目には、明らかな打算が感じられた。 説明を最後まで静かに聞いた後、私は思いつきでこんな提案をした。 「とても興味深いお話でした。ただ、普通に契約するのは面白くありません。ありさと自転車の坂道競争をしませんか？ もし彼女が負ければ、最上位のプランで契約させていただきます」 一瞬の静寂の後、彼らは顔を見合わせ、抑えきれない笑みを浮かべた。 「面白い提案だ！」という返事に、「くっそ余裕ワロタwwwwwwww」という思惑が透けて見えた。 (続く) さて、どうなったでしょう？ 競争を持ちかけた坂は以下