忘れられないこどもたち② 乳児の面倒は従弟を抱っこして遊んだ程度の経験しかなかったが、赤ちゃんは可愛いと思ったな。 その後しばらくこどもたちと本を読んだり遊んだりしていたが、帰る時間になった。 みんな抱っこの温もりを惜しみつつ離れたが、一人の男の子が友人にかじりついたまま離れようとしなかった。 切なかった。 人の温もりを、あんなに欲しているのに、叶わないこども。 乳児院にいるこどもたちはいわゆる「みなしご」ではなく、親の病気等の理由で一時的に入所していることがほとんどみたいだった。 早く親の元へ帰れるようにと切に願った。 私は未婚だし、自分の子を欲しいとも思わない。 だけど、欲しくて産んで、様々な理由で苦しい親御さんがいるならば、力になりたいと思う。 あの時のこどもたち… しがみついてきたこどもたちの手を忘れまいと思う。 今元気でいるなら30代半ばくらいになっただろう。 どんな人生を歩んできたか、今幸せか、時々思い出しては切なくなる。