■(ながら食事) ◇住宅街の中にある食堂。 いつも「とんかつ定食」を頼みます。店内ではテレビが点いています。 ◇数年前。私はそのとき『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の下巻を詠んでいて、面白さに興奮状態でした。 豚定を注文後に待っている間、つい下巻を取り出して読み始めました。そしてとんかつ定食が配膳されてからも、開いたページを財布で押さえて、読みながら食事。どうにも、続きを、読まずにいられなくて。 ◇すると店主がやってきて『モリワキさん、ながら食事は止めてもらえますか？』と注意されたのです。 『え、あ、これは失礼』と本を閉じて、食事に集中しました。別の日に、カウンターの左端に先客が座っていて、なんとなく２席空けて座ったら『そこじゃなくて左から詰めて座ってもらえます？』などと、要求をはっきり仰る店主さんで、そういう人だと知っている。だから特に驚きは無く、味が好みなので、時々いろいろ言われても、変わらずに通っています。 ◇ま、でも、みんなが顔を左に向けて、カウンターの左端にあるテレビの、大谷翔平選手のニュース等を見ながら食事しているので、「アウト」「セーフ」の線引きは微妙です。