2025-01-24 22:48
僕は13歳年上の女性と不倫をしていました。当時の自分は28歳、彼女は近くの画材屋で働いていました。仕事柄、週に数回この店を訪れていて、彼女とは絵の話で距離が縮まり、それから2人で絵画展や食事に行くうちに、ごく自然に、まるで当たり前のように男女の関係になりました。
彼女と重なる度にためらいも倫理観も薄れ、彼女の包み込んでくれるやさしさと大人の艶体に溺れていきました。自分のものにならない苛立ちと愛欲が入り混じり、感情を抑えきれずにむさぼり抱いてしまった日も
「いいの 愛してる こっちに来て」
と強く抱きしめてくれました。
彼女は今の旦那と離婚を考えてると言い、僕は早く結婚したいと伝えました。本気でした。今思えば喜んでくれた顔には一瞬の陰りがあった気がします。
別れは前触れもなく、
「もう会えなくなった ごめん」
この12文字で彼女との1年半は終わりました。
この部屋にもう彼女は来ない、わかっているのにずっと彷徨ったままです。未だに狂おしく甘い彼女の匂いが残るこの部屋には、絵が苦手な彼女が描いた白いイテアの花の絵が飾ってあります。それを見る度に「これうどん?」ってなってます。