勇気を出して襖を思い切り開けると誰も居ない…ただ閉めた筈の窓が開いている。 そしてまた「助けて～」と声がし廃墟の見える開いた窓の方から聞こえる…少し窓から離れた所から見ても廃墟には人影どころか明かりも点いてなく真っ暗。 ジリジリと近付き窓まで来てまた「助けて～」の声が聞こえ恐々窓の下を見ると… 1階の窓の庇にしゃがみこむ嫁さんの姿が！ 慌てて引っ張り上げ真冬の寒さで冷えきった体をさすりながら「どうしたん！」って聞くと…どうやら庇に落ちた干してた枕を取ろうと飛び降りたのは良いが思ったより窓が高く登れず飛び降りるには高過ぎて昼過ぎから裸足で部屋着のままずっと真冬の寒さの中じっと私の帰りを待って居たらしく近所に聞こえると大事になるのが恥ずかしくて震える小さな声で「助けと～」と呼んでいたらしい。 結果、笑い話になったが…それから少しして奇妙な出来事が始まりどんどんエスカレートする怪奇現象に悩まされ引っ越しする事になった。 退去の挨拶に管理人さんに部屋の確認をして貰った時に管理人さんが 「家賃が高かった？」 「いえ、こんな事を言うと変な人と思われるかも知れませんが奇妙な事が…」 ↓　続く