「まさか外でも……」 保育参観で見た息子の姿がショックすぎて、思わず声が出た。 他の子は上手にスプーンを口に運ぶ中、息子だけはお皿に手を突っ込んで、お野菜をぐちゃぐちゃにして口に入れる。 家ではしかたないと目をつぶってたけど、まさか園でもやってるなんて……。 「これじゃ、お行儀が悪いって笑われちゃうじゃない……」 小さくため息をついた私の横に、 保育士歴35年ましゅまろみたいな担任がやってきて、 「息子くん、今日は人参さんとも仲良しさんかな？ 　指先で感触を確かめながら、お野菜の味をしっかり味わっているんですね。 　素晴らしいわ！」 と、満面の笑みで息子に話しかけた。 え、褒めてる……？ 私が驚いた顔をしていると、 先生は優しくほほえんで、 「手づかみ食べは五感を刺激する大事なプロセス。 　見て、触って、匂いをかいで、味わって…… 　全身で『食べる』ことを体験してるのよ。 　食べるって栄養をとるだけじゃなくて、 　感覚を育て、脳を活性化させることにも 　つながってるの」 そう教えてくれた。 「それに手づかみ食べをすると、