何事にも動じない娘であったし 嫌がって泣いたり暴れたりはしなかったし 「さほど心配することではない」と言われはしたのだが 日々の対応はそれなりに大変だと思うこともあった まず　朝は娘が小さく静かに泣いている声で目覚める 瞼が目ヤニでくっついてしまい　目が開かないと訴えているのだ すぐに温めたガーゼで取り除こうとするが 夜寝てから朝起きるまでの長い時間で固まってしまっており まつ毛を抜いてしまわないように優しく除去するためには かなりの神経を使う 目ヤニの「色」も気になった ガーゼはほぼ使い捨てになる 洗っても取れないほどの濃い「膿」となっていたからである 点眼をしていても　改善する様子はない 目頭のマッサージを行っても これが果たして正しい位置でできているのかがわからない そうした日々の中　定期検診に通いながら3ヶ月が経過した 「改善の見込みはなさそうですね」 医師はそう診断した 多くの場合　生後半年もすればおおよそ改善がみられるものらしいが 娘のそれは悪化すらしているように見えた 「このままでは可哀想ですから」 「施術を考えましょう」