昔むかし、20歳くらいの頃 明け方にマンションの自分の部屋の窓から 空を見ていると 吸い込まれそうな気がして ブラックホールでもあるのかな？って感じで見ていたのだけど それが何日か、何週間か続いて ある日 「今なら飛べる」って思った でもその瞬間に 祖父母の笑顔が浮かんできて 涙が止まらなくなった だから飛ぶのをやめた そんなことがあったことさえ 忘れかけたある日 綺麗なお花が沢山咲いている場所に小川が流れていて その向こう側に亡くなった祖母が立っていた 「おばあちゃん！」 祖母にずっと会いたくてたまらなかった私は、走って駆け寄ろうとした 祖母の目からは沢山の涙が流れていた 「ダメだよ。○○ちゃん、まだだよ」 そう言われて 私も泣きながら、そんな祖母を見つめている そんな夢を見た 闇に吸い込まれそうになった日も 車ごと壁にぶつかって粉々になりかった日も 高速道路が崩れて自分の上に降ってきて欲しいと願った日も 祖父母の笑顔を思い出した だから私は 娘が義両親と過ごす時間を何よりも大切にしている 娘がいつか苦しくてたまらない日には 祖父母と過ごした日々を、笑顔を思い出して欲しい