2025-02-06 03:14
『点滴で珈琲を淹れる意味とは…』
珈琲を生業とするなかで一日に20杯も30杯も同じように珈琲を淹れ続けると、人間ですからそのうち『作業化』されてきてしまうものです。
いつも同じ温度・タイミング・湯量・時間・動き…毎回同じことを繰り返すと、どうしても『その一杯』という意識が希薄になってくるのです。
そうした作業化にあらがい、常に『その一杯』と向き合う方法として、滴一滴とお湯を注ぐやり方は有効だろうと思います。
お湯を落とす。
状況を見て次の一滴を決める。
テンポを変える。
着地地点を変える。
内部を想像する。
当て方を変える。
日々変化する条件に対応する。
大枠の淹れ方は決まったうえでの即興性がここにあります。
点滴抽出には技術的な目的もあるのですが、主たる目的はその心持ちのためと言っても良いでしょう。
毎回精一杯を出し切る、そういう心境に自分自身を持って行くためであります。
もちろん「頑張った」と「美味しい」はイコールではありませんので、技術と感覚を磨き続けなければなりません。
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