中学生の時。 朝、学校に行こうと上り框に座ってスニーカーの紐を結んでいたとき、耳の後ろで「ジョキッ」と音がした。 驚いて振り向くと母が裁ちばさみを持っていた。２つに束ねた髪を束ねたまま切っていたのだ。 わけが分からなかった。 私は髪を切りたいとも何とも言っていなかったのに。何でよりによって人が出かける忙しい時間にわざわざそんなことをしたのか。 昔のことなので、その時母がどんな顔をしていたのか覚えていないけど、うちの母が普通じゃないことだけは確かだった。 私はあんたのお人形じゃないんだよ。50年前のことだけど、今でもムカつく出来事。縁を切ってよかった。