映画「関心領域」"The Zone of Interest"をようやく観了。予告編だけで確実に精神的に滅入るホラーなのがわかっていたので、元気なタイミングを選ばねばならなかったが、予想どおり傑作。
アウシュヴィッツ絶滅収容所の所長を務め、アイヒマン着任後に大量殺戮装置を運営したルドルフ・ヘスとその一家が暮らした収容所併設の邸宅を主な舞台とし、虐殺が本格化する直前までを描く。
延々と収容所の中の惨劇を示唆する音が、美しい庭の景色の向こうにたなびく煙突の煙とともに、背景を流れる。ただそれだけで背筋が凍る怖さがあり、かつ、アーレントが凡庸な悪と表現したそのままの姿をヘス夫妻として目の前に置かれる。
https://www.cnn.co.jp/world/35228502.html