詩を書きました🥀 焼け野原にしか咲かない花 焼け野原にしか咲かない花は いつもつよい風のなか 吹き飛ばされそうになりながら ゆらゆらとゆれている 焼け野原にしか咲かない花は その地に辿り着いた者だけが視ることができる その地へ向かう最短距離は人によって異なる どんな地図にも載っていない 焼け野原にしか咲かない花は 朽ちるとともに新しい芽をだす 輪廻転生を繰り返すように 新しい自分へと生まれ変わる 焼け野原にしか咲かない花は たとえその地の者であっても 手折られることを拒絶する だれかに所持されることを拒絶する 焼け野原にしか咲かない花は 少々の毒と小さな棘をもつ 毒はある条件下では薬となり 棘は自分を守るために存在する 焼け野原にしか咲かない花は 形状は他の花と大差ないが視たものに特別な力を与える それは炎のようなヴァイタリティー 視た者は自分が生きていることを確認できるという 焼け野原にしか咲かない花は 花言葉は存在しない 花言葉はおろか名前も存在しない 名前は存在しないが確かにゆれている