2025-02-27 02:34
今から35年くらい前の私の中学校の卒業式の日。
中2から不登校のA子が、教室の後ろのドアから突然入ってきた。
「A子!」みんな驚いで叫んだ。
A子は恥ずかしそうにはにかんでいた。
「おはよう」「元気だったー?」って口々に言ったけど、あまりプレッシャーかけたらダメだ、とみんなすぐに前を向いて普通にしていた。
A子はあまり勉強ができない大人しい子で、無口だけどいつもニコニコしていた。
小学生の時、活発だった私とは特に仲良いグループでもなかったのにたまたま帰り道が同じ方向で、時々A子の家に寄って遊んでいた。
平屋の貸家であまり裕福ではなかった。
A子のお母さんは内職していていつも家にいた。
厳しい人で怖かったけど、玄関の敷居を踏んだらダメだ、とかそのお母さんから教わった。
学年が上がるにつれて、グループが違うので疎遠になっていた。
中2でA子が不登校になった時、いじめもないしいつもニコニコしていたから、誰も理由がわからなかった。
私はもう仲良くしていなかったけれど、心配になり一度A子の家に尋ねた。
A子のお母さんは、一緒に遊んできた時より老け込んで痩せていた。
(続く)