2025-02-28 08:00
現像とレタッチ論争
フィルム時代の写真文化と「現像」のこだわり
フィルム時代の現像は、化学的なプロセスを経て像を浮かび上がらせるものであり、「撮影後にできる調整の範囲が限られていた」 ことが特徴です。
そのため、撮影時の露出やフィルム選び、現像時の微調整が写真の仕上がりを大きく左右しました。
この経験を持つ人にとっては、「現像」という言葉が単なるデータ変換ではなく、写真表現の大切な一工程としての意味を持つのは自然なことだと思います。
デジタル世代と「レタッチ」の包括的な捉え方
一方、デジタル時代になると、RAWデータの調整も画像編集ソフトでの修正もシームレスにできるようになり、「写真を作る工程がより自由になった」 ことが特徴です。
その結果、「現像」と「レタッチ」の境界が曖昧になり、どちらも「後処理」の一部として一括りに「レタッチ」と呼ぶ人が増えたのではないかと思います。
特に、PhotoshopやLightroomのようなソフトが普及したことで、「撮影後に自由に調整できるのが当たり前」という感覚を持つ人も多くなったのでしょう。