2025-03-04 11:04
寺地はるな著『雫』読了。
中学の同級生4人の30年にわたる物語。月日を遡っていく構成が斬新だった。ジュエリーのリフォームを通じて、「永遠」について考えさせられる。
私は寺地さんと感覚が似ているのかもしれない。ものすごく心を揺さぶられる展開があるわけではなかったけれど、共感できる言葉がたくさん出てきた。自分の心にあったことを寺地さんがうまく言葉にしてくれる。
中学生の頃の自分の気持ちが甦ってくる場面もあった。幼なさゆえに、ひとりでいること抵抗があった時期。それでも、ひとりで堂々としている同級生に強い憧れを抱いていたことを思い出した。
「変化しながら緩やかに続いていくことを『永遠』と呼ぶ」のだから、「終わることも、変わっていくことも、離れることも、なにひとつ悲しいことではない」という言葉は、心に留めておきたい。
主旨からは逸れるけれど、激しく共感したのが、メールに「こんばんわ」と書いてきた男性への違和感。大人にのに「は」を「わ」と書いていることにものすごく引いてしまって、絶対に好きになれないと思ったことがある。「やっぱり、気になりますよねー」と思えて嬉しかった。
読書