部長室から飛び出るように出て行った先輩。 その後ろを慌てて追いかける私。 「ああ、岡田さん…」と言いながらポロポロ涙する先輩に、持ってたポケットティッシュを手渡すと「私に優しくしない方がいいよ」と。 どういう意味だろうと思ってたら「私、あなたのことが嫌いで裏でたくさん悪口言ってたんだよね」 それを聞いて一瞬、自席に戻ろうとしたけど、結局最後まで面倒を見てしまった。 先輩は「私のことが邪魔だから会社は早く辞めてほしいんだと思う。岡田さんも子供が出来る前に辞めた方がいいよ。この会社パワハラだよ」と泣いていた。 私はこの会社にパワハラを感じたことはなく、それは先輩の勘違いではと思ったけど、職場内での様子を全部見てきたわけじゃないので何とも言えなかった。 先輩はそこから二週間くらいしてスピード退職してしまうんだけど、最後まで私のことを「岡田さん」と呼んでいた。 最後に先輩と駅で別れるときに「また落ち着いたら連絡下さいね」と言葉をかけてしまったら、「ごめんだけど今後一切あなたと連絡取るつもりはない」と言われ、声を振り絞りながら「そうですか、ではお元気で…」と言うのがやっとだった。 (↓続く)