2025-03-10 21:04
転機が訪れたのは2年生の時にカリフォルニアからジェシカが転校してきて、サッカー部に所属してルームメイトになった時からだった。
ジェシカは明るい栗色のロングヘアが美しく、健康的に日焼けして歯の白さが際立っていた。
カリフォルニアのリベラルな家庭で育ったジェシカは、たちまちエマに心を開いた。
ジェシカの祖母がチャイニーズ系だったことも、二人の距離を縮めるひとつの理由だったかもしれない。
ジェシカは地元のテイラーとやはりカリフォルニア出身のサラとも仲良くなり、そのおかげでエマもその二人と仲良くなった。
二人とは1年生の時から同じサッカー部に所属していたのに、ほとんど話す機会がなかったのだが、ジェシカを通じてあっと言う間に仲が良くなった。
ジェシカにはそういう人を惹き寄せるエキゾチックな魅力があった。
もちろん日本人と比較すればアメリカ人はフレンドリーだ。だが実際に付き合ってみるとどこかに壁を感じてしまう。
言葉の壁もあるだろう。
いくら英会話能力が向上しても、やはりネイティブスピーカーの会話の速さに着いて行くのは大変だ。
だがジェシカはどんな人に対してもその壁を取り除く魅力があった。