今でも不思議だけど、妊娠が判明した時は 不安や迷いは無かった 無知で、ただ嬉しくて 何一つ貰えなかった訳ではない 「子供を産むこと」を貰えた 籍を入れただけの結婚だけど、 私は私の家族を持つことができた だけど、やっぱりそんな簡単な事じゃなかった 彼氏から夫に肩書きが変わっても、 他は何も変わらない 仕事だと家には帰ってこない 娘が産まれた時、病院に来たのは3日後だった 収入が定額じゃない 当時でも珍しい給料手渡しで、 備品代を立替えたが、事務員さんがいなくて 精算できないとか 給料袋ごと落としたとか嘘つかれた 妊娠中は、日払いのバイトを続けた 誰にも相談できなかった 相談して、子供を諦めることになるのが怖かった 娘を出産してからは、両親が孫可愛さに 色々と差し入れてくれたので、何とか食い繋いだ 離乳食の頃になると、冷凍のうどんを ドロドロに煮たものを分けあって食べた 空腹だったから、娘がもういらないと、 残さないかと思いながら、食べさせた 生後半年過ぎて、保育園に預けて働き始めた 必然的に、嫌がっていた実家を頼るようになった そしてそれが、離婚へのカウントダウンとなった