「助けてください」 そう言って頭を下げれば良かったのだろうか 今となっては分からない 当時の私には、その選択肢は無かった 両親は、「孫のためなら何でもするが、 お前達夫婦の事は知らない」が口癖だった 娘は大半の時間を実家で過ごし、 おかげで私は働く事ができた だけど、何故かうちにはお金が無かった 外食なんてしたことはないし、 自分の物なんて、何年も購入しなかった Xdayは訪れた テンプレだか、夫に借金があったのだ 私は夫の勤務時間も給料も把握していなかった 夫は、お金の話をすると不機嫌になり、 黙り込んでしまう 私は、相手の不機嫌を察知すると、 何も言えなくなってしまう 返せない額では無かった でも、これ以上、親に迷惑をかけてまで、 婚姻関係を続ける意味を見出だせなかった そしてタイミング悪く、 私の離婚と兄の結婚が重なった 兄も借金があった そして相手の方はしっかりとしたお家で、 妊娠がきっかけの結婚だった 両親は兄の借金を精算し、 多額の結納金を支払った 当時の両親の嘆きを聞いて私は、 子供の頃を思い出すことになった そして別れた夫は言った