3・11、仙台の事務所にいた。本や記録が大量に落ちてきて、強く長い揺れに怯えた。避難所に寝る場所はなく、車で朝まで過ごした。雪が降る中、いつも明るい夜空が停電で真っ暗。朝方ラジオから流れる荒浜の状況を聞いて愕然とした。 電話の復旧後は、依頼者の安否確認を。二人の依頼者が亡くなった。そのお母さんから電話があり、「一人だけ残ってしまった。助けてくれ」と。気仙沼に向かった。私自身、ガスの復旧に1か月かかって、お風呂も入れず、ガソリンもなかったけど、タクシーは借りられた。石巻や気仙沼の変わりように言葉も出なかった。 弁護士はすべての手続の代理人になれる。だから、そのお母さんの手続を全て行った。家を再建するためメーカーとの打合せにも同席。でも、心のケアが本当に難しかった。今でも後悔が残る。 震災後は驚くほど、離婚相談がなかった。半年たってから、一気に増えた。夫のDVが悪化した、義援金をパチンコで使われてしまった、狭い仮設住宅で喧嘩が絶えないなど、特に弱い立場の人からの悲痛な声がたくさん届いた。 3/12の岩手日報に私のインタビューが載ります。こんな経験から学んだことを話しました。