2025-03-15 04:31
亡き母のこと。
余命いくばくもない母の見舞いに、毎日通っていた。
母は限りある命だと知らず、ベッドの上でも、いつも明るく過ごしていた。
ある日、母が、神妙な面持ちで、
「ちょっとそこのバッグ取ってくれる?
あんたに渡したいものがある」と
え?ナニナニ?
入院していて、お金引き出せないからキャッシュカードとか?
渡されたのは、安売り酒屋のメンバーズカード。
「火曜日は女性サービスデーだからね」
「ポイントたまると、500円の商品券になるから」
私に、渡したいものって、、これ?
20年経った今でも、私はその安売り酒屋に通い続けている。