2025-03-16 00:42
あとがきで沼正三は、谷貫太、すなわち森下小太郎氏のみが、沼正三の正体を知る人物だと記した。そしてその森下小太郎氏は、沼正三は倉田貞二、すなわち倉田卓次氏だと言明しているのである。沼正三氏の正体は、おのずとあらわれた、と言えないだろうか。
最後に、判事としての倉田卓次氏について記しておこう。
「倉田判事は、最近では、五月の交通事故賠償の民事訴訟で、”インフレ加算”を提示した判決を出して、話題を呼びました。来春に予定されている第二次教科書訴訟の担当も決まっているんです。現在、干葉地裁の所長をしている勝見嘉美氏に次ぐ同期でナンバー2のエリートです」(司法記者)
「法律論文をたくさん発表し、大胆な判決を出しますが、その判決はとても重視されていますね。人柄も悪くないし、評価は高いですよ」(倉田判事を知る弁護士)
裁判官が、世界的なマゾヒズム小説を書いたのは、成熟した日本文化の証しだといわんばかりに、森下小太郎氏が呟いた。「裁判官は司法試験に通れば、誰でもなれるんです。それこそトラックに何台も乗るほどいるのですよ。