アート作品の価格については、誰もが知りたいにも関わらず、話題にしにくいテーマであり、同時に混沌とし、モヤに包まれている。とはいえ、もしもアート作品を一般の商品と同じように社会に流通させることを願うならば、この価格のテーマからは逃れることはできない。 価格を設定するとは、作品に金銭的な価値を与えるだけではない、そのことをまずは念頭におく必要がある。価格とは、アーティスト自身のブランドを形成するための基礎であり、またアーティストの成長を測るバロメーターでもある。 あなたの作品を見ただけで、“あぁ、あの人の作品だ！”と認知してくれる人がどれだけいるかを考えてみてほしい。それによってあなたのブランド力を知ることができる。誰にもまだ知られていないと思うならば、今は薄い利益でグッと我慢し、とりあえず、様々な人により多くを販売することを目標にすべきではないだろうか。インターナショナルな展示もでき、同時に販売もできているようならば、あなたの作品は徐々に価格を上げるにふさわしい時期にきたということになる。 価格はあなたの実力を映す鏡であるが、あなたの成長を促すエネルギーにもなる、そう思ってほしい。