学習指導要領を見ていると、「我が国の子どもたちには思考力・判断力・表現力等に課題がみられる」という文言が目に留まった。 受け身の学習では、これらの力が育ちにくい傾向があるのだろう。だからこそ、「学びは楽しい」「自ら進んで学ぶことが大切だ」と子どもたちが実感できる機会を増やすことが重要だと感じる。学校や家庭の両方で、こうした経験を積める環境が整えば、受け身の学習からの脱却につながるはずだ。 とはいえ、学びの基盤となるのはやはり家庭だろう。そう考えたとき、あるご家庭のことを思い出した。 その家庭では、親が子どもにさまざまな経験をさせている。例えば、休みの日には親子で「ピザ作り」をし、その過程をレポートにまとめて発表する。あるいは、親子で新しい遊びを考え、その中で自然に思考力を育む工夫をしている。 こうした取り組みを見ていると、経済的な状況にかかわらず、親の工夫次第で「自ら学ぶこと」が当たり前の環境をつくれるのだと改めて感じる。学びの本質は、環境と姿勢の中にあるのだろう。