アートでビジネスを考えている、というある方の文章を読んだ。場所さえ確保できれば、グループ展を企画するのは非常に良いビジネスプランになる、という話だったように思う。 確かに展示をしたいと願うアーティストには事欠かない、彼らから高価な参加費を取れば、ほぼ確実に主催者は利益を得ることができるはずだ。一見すると、場所提供をする主催者と、展示を行いたいアーティストの利害関係が一致して、良いビジネスプランのようにも映る。しかしここで問題なのは、そのグループ展そのものである。お金を唯一の共通項として集まった作品を一体どのように展示構成するのだろう。主催者にとっては、アーティストの作品に興味があるのではなく、参加費を快く出すアーティストに興味があるのは明らかだ。企画を練ってもいない展示に誰が興味を持つというのだろうか。 “展示にお金を支払う”、このループに入ってしまったら、いつまで経っても作品で収入を得ることなんてできない、アーティストとして独立することは残念ながら叶わないと思う。 展示をして作品をより多くの人に見てもらいたい、そんなはやる気持ちも理解できるけれど、どうかやり方を間違えないでほしい。