2025-03-19 22:26
「コレクター」という言葉には明確な定義がないがゆえに、私はこの言葉があまり好きではない。確かに、世の中にはまさにコレクターと呼ぶにふさわしい、膨大で素晴らしいコレクションを持っている人たちはいる。ただそうした人々を除けば「コレクター」の境界線は非常に曖昧である。
一般的には、アートに情熱を持ち、深い知識と理解をもって持続的に作品収集する人々をコレクターと呼ぶのであろう。つまり、購入者とコレクターはイコールでは結ばれない。ところが、現代にはなんと「自称コレクター」の多いことか。彼らはアート好きとしてのイメージを自ら作り上げてはいるが、自分の状況が変化し、または流行が去るとともに、まるで潮が引くかのように、アートの世界からその姿を消してしまう。そんな一時的な自称コレクターに振り回される必要などない。むしろ、あなたの作品に共感し、時に購入し、常に展示に足を運ぶ人たちを大事にしてほしい。彼らは決してコレクターにはなり得ないかもしれないが、そんな彼らこそが、将来にわたってあなたの創作活動を支えてくれる存在になると私は思う。
目先の派手な人の動きに左右されず、お客を見る目を養ってほしい。